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Singer 結-yuu の脳内告白


by swingyuu
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二人旅~君が君であるために~あとがき~歌で綴る我が子への想い~


私は持病をもっているようです。
すぐに死ぬわけでは無いですが、爆弾を抱えたまま生きていると言えばいいでしょうか。

数年前から、見覚えのない痣が体のアチコチにできたり、とんでもない発熱したり、急に動けないほどしんどくなったり。
今、思い返すと、なるほどな。と思えます。

その病気を知ったのは、去年の7月のことでした。

それから以降も、二ヶ月に一度位のペースで40℃ちかく発熱したり、身体中が痛かったり、食べれなくなったり。

と、山あり谷ありの日々を過ごしています。

息子は小さいときから、聞き分けのいい子でした。
優しくて、まっすぐで。

そのぶん、私はとても心配していました。

私の為にいい子でいなくちゃならないと、自分を押し殺してるんじゃないだろうかと。

卒園式、小学校卒業式、中学校卒業式、毎回息子に手紙を書いて手渡してきた。

その年齢によって、書くことは違っても、息子を産むまでの心の葛藤。

産まれてくるまでの様子や周りの気持ち。
お産の時の話。

私にとってどれほどあなたの存在が誇らしく、また、私を強くしてくれたか。

結局二人でいきることになった事への謝罪、それでも守り抜くと言う決意。

そして、いい子でいなくていい。
自分の気持ちを閉じこめなくていい。
どんなあなただろうと、私の愛と誇りはかわらない。と。

沢山の想いを伝えてきた。
その手紙について、息子から何かを言われたことは一度もないけど、自分の部屋の小さい箱に、きちんとなおされてあった。

ここには書けない事情も多々あり、私達は頼れる身内がいない。
いても頼ろうとも思わないが。

思い返すと号泣してしまいそうな出来事を、いつも二人で超えてきた。

越えようと必死にもがく私を、息子がまっすぐに見つめてくれ、その瞳に救われて乗り越えてきた。という感じ。

今回の旅ネタの中に、もしかしたら、ん~な、おおげさなっ!とか、マザコン?とか、思った方もいたかと思う。

自分の人生を丸裸にするつもりはないので書きませんが、お互いの大切さを知り尽くしてきた二人の歴史が、こういう親子関係を築いたのだと思います。

今回の旅で私は息子の背中ばかり見ていたような気がする。

言葉にしなくても、瞳をのぞかなくても、背中を見ればわかる。

何を想い、何を感じてるのか。
その背中を見つめながら、どうか素敵な恋をして、私にかわる一番の理解者という伴侶を得て、幸せになってほしい。
と、願うばかり。

だって私はあなたの人生の途中でいなくなる人間だから。

このシリーズのサブタイトル
~君が君であるために~

語弊があるかもしれないが、私から解放してやりたかった。
まだ漢字の読み書きも出来ないころから、私を気遣い、だだをこねたことが一度もない。

人並みに親子喧嘩もするし、殴ったこともある。(私が)

でも、心の奥では、彼の優しさは十分すぎるほどにわかってる。

苦しくもあったけど、息子の存在のおかげで私は生きてこれたと言っても決して過言ではない。

もう十分、息子の気遣いはいただいた。
だから、今度は自分の夢に向かって、誰に遠慮をすることなく、自分の人生を精一杯生きてほしい。

見知らぬ土地で、大自然に囲まれて、彼が知らず知らずに封印してきた、《己》というものを奮い立たせてほしかった。

だから、鎮痛剤をのんでジャングルトレッキングにもいったし、干潟の沼にはまっても、息子の思いを遂げてやりたかった。

この旅で見せた息子の色んな表情。
ハッとするほど大人びて見えたり、こんな笑顔したことあったかな?って位に無邪気であったり。
彼が彼であった瞬間なのだろう。

帰りの飛行機の中、
つかれたぁ?
と聞く息子。

あんたが私と同じ年になって、この体力で、あの方向音痴のおかんが、ひとりで俺を石垣に連れてって、こんなことしよったんやなぁ~

って思い出してくれたら、それでいい。まっだまだ先やなぁ~

と笑う私の声を聞いて、黙った息子は目を伏せた。

閉じたまぶたに涙が滲んでる。
見ない振りして、雑誌を広げた。

彼はいま、教師になるという夢に向かって走り出した。

毎朝、スーツ姿でチャリンコをぶっとばす。
二人旅~君が君であるために~あとがき~歌で綴る我が子への想い~_b0221787_16541951.jpg


そんな息子を一日でも長く見続けていられるよう、私は私の病に抗い続ける。

先日、徹夜続きで音と向き合い疲れ果てた私。
ライブ、スタジオ、しごと、打ち合わせ、製作。

ふと気づくと、家の中がとっちらかってる。
たまった洗い物、洗濯物、息子が自炊したあと。

ひどい罪悪感にさいなまれ母親失格だと泣きそうになりながら、

あたし、どないしたいい?何がしたいんやろう。ごめんなぁごめんなぁ。

肩を落とす私に

今まで必死でやってきたんやん。忙しくなってきたんやろ。これからやん、ここで投げたら嘘やで。

と肩を叩いてくれた。


この二人旅は、新たな親子のあり方の出発であり、それぞれの出発である。

この先何か辛い事があったとき、自然の中に生かされてる自分の使命を思い出してくれればいいなと思います。

最後に、この楽曲でこのシリーズを〆たいと思います。

母心を歌った沖縄の名曲です。

童神~わらびがみ~←クリック 結-yuu

ミヤギマモルさんが歌う
童神~うちなーぐち)←クリック

神様
息子に出会わせてくれてありがとう。

最後までお付き合い下さった皆さん、ありがとうございました。


by swingyuu | 2013-04-23 17:39 | 日常